亜熱帯の美しい自然風景、サウンドトラックには軽快なダンスミュージックが採用され、主役には“あの”コンゴウインコのカップルを迎えた。時に抱腹絶倒、時にワクワクさせてくれる。それが本作「リオ 2(日本未公開)」である。
前作2011年公開の「RIO(邦題:ブルー 初めての空へ)」から3年、コンゴウインコのカップル、ブルーとジュエルが帰ってきた!!子供たちも一緒に、アマゾンの熱帯雨林へ向けて飛び立つことで今回の話はスタートする。
―彼らと同種のコンゴウインコが多く生息すると噂される不思議な場所を探し求めて―
出発してすぐに、長い間会えなかったジュエルの父親に会う事が出来た。しかし、喜びばかりではない。ブルーは野生の世界で生きていける事を証明しなければならなかった(ブルーだけでなく、ジュエルも子供たちも人間と共に暮らしてきた為、サバイバルという言葉には無縁なのである)。そして、ついには人間との戦い、私利私欲の為、森林破壊を企てる男との戦いが始まる。
はい!勿論、あのシェイクスピア口調でイライラさせてくれる(笑)ナイジェルはブルーへの報復のために戻ってきますよ。
声優陣が素晴らしく、特にジェシー・アイゼンバーグとアン・ハサウェイ演じるブルーとジュエル、それにアンディ・ガルシア演じる、不愛想で、口うるさい父親(時々、もうそれは完全にミート・ザ・ペアレンツ2でのロバート・デニーロである)、復讐心に燃え、だけど面白すぎる程に運の無いナイジェルは、ジェイメン・クレメントが務めた。
監督カルロス・サルダーニャの手により、作品は軽快に流れ、セリフは冗談で溢れ、大人でも楽しめる作品になっている。
たかがアニメ映画、それでも私には忘れる事が出来ない作品となった。鳥の目の視点、つまりは、高層ビルや或は、壮大なリオデジャネイロの活気あふれる街を上空から眺める景色は勿論、青や赤や細かな色表現で、描かれた美しい鳥、またそれとは対照的に、彼らの生きる環境は、言うまでもなく緑一色で、そのコントラストがまた美しい。本作は、アニメがアニメを超えた作品と言える程、正確に全てが描かれている。
少しお決まりのエンディングであることは間違いない。それに作品構成は、物語の舞台同様、まるで木々が重なり合う森の様に、あまりに色々な事が絡まり合い過ぎている様にも見える。もしかすると登場キャラクターを理解する為のパンフレットが必要かもしれない。しかし、この作品の美しさに目を向ければ、もうそんな事はどうでもよくなってしまう。それが本作「RIO 2」である。
オリジナルレビュー : スチュアート・R・ブライニアン (FILM REVIEW by Stuart R. Brynien, New York)
翻訳 : 松本裕也 (TRANSLATION by Hiroya Matsumoto, New York)